道内でビルの屋上などに設置する屋外広告が、静かに姿を消している。大手企業が広告効果への疑問などから屋外広告の件数を絞り込んでいるのに加え、景観維持を目指し、札幌市などで屋外広告を規制する動きが出てきたためだ。道内企業にかつての勢いがなくなったことも響いており、「巨大看板で企業名などをPRする時代は終わった」(広告業者)との声も出ている。
国道36号に面した札幌・ススキノ東側のテナントビルの屋上。巨大な白い看板とともに、「広告募集」の文字が見える。「一昨年半ばからあの状態。値下げもしているが、こんなに長期間、広告がないのは初めて」。ビルを所有する松井ビル(札幌)の金城晋管理部次長がぼやく。
たばこメーカーの広告規制、大手企業の広告戦略見直しなどが重なり、道内の屋外広告は着実に減りつつある。
光学機器のオリンパスは「社名を出すだけでは効果が少ない」と二〇〇〇年にススキノの大型看板を撤去。日立製作所は大型看板を設置している札幌駅前通のビルが間もなく解体されるのを受け、新たな広告手法を模索中だ。
年間一千万円前後もするビルの屋外広告は一度設置すると撤去にも費用がかかるため、十年以上にわたって設置され続けることも多い。
しかし、道内の広告代理店は「最近は新たに広告を取り付けるよりも、取り外す方が多い。今年も撤去ばかり四件も続いた」と話す。
道内の景気低迷が続く現状では、大手企業に代わって広告を出す道内企業も少ない。
札幌市が〇三-〇四年にJR札幌駅周辺でビル屋上の新規の屋外広告を原則禁止にするなど、自治体による規制強化も影を落とす。家電大手のシャープは「札幌は規制が厳しく、屋外広告を控えている」と話す。道内では函館市も今秋に一部地域で屋外広告の規制に乗り出す予定だ。
札幌市は〇九年以降、大通地区と駅前通地区でも規制を強化する方針。既設の広告は規制の対象外になるため、一部に駆け込みで看板を掲げようとする動きもあるが、「看板がない方が景観にはいいとの声は多い」(札幌駅前通振興会)と関係者は前向きに受け止める。
「消費者が大きな広告を見て動くかと言えば、そうでもない」(札幌市道路管理課)との見方もあり、景観保全の流れが強まりそうだ。
(北海道新聞より引用)
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